蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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旅とわたし:マカオ(中華人民共和国)

このエントリは『旅とわたし Advent Calendar 2016』の15日目です。

ここまでポルトガルの街をいくつか紹介してきたが、ポルトガルの面影を残す街として興味を持っていたのがマカオだ。旧ポルトガル植民地で、今は中国特別行政区となっている。

地形が独特で、大陸とつながった半島部と、2つの島を埋め立ててつなげた離島区から成っている。半島部ともともと島だった部分は歴史的な建物や昔からの街がある。埋立地であるコタイ地区は、これでもかというほどゴージャスなホテルやショッピングセンターが立ち並ぶ。

カジノなどきらびやかな施設がたくさんがあるのも知ってはいたが、ずっと歴史地区のイメージが先行していたので、はじめて訪れたときは2つの顔のギャップに興奮した。

ギャラクシーマカオリゾートの巨大プール

私が滞在したのはギャラクシーマカオリゾートというわけのわからない複合施設の中にあるホテルで、街ひとつぶんくらいの大きさで流れるプールがあるような、ちょっと何を言っているのかわからない場所だった。上の写真はホテルの部屋からプールを見下ろした写真だが、プールはこの3倍くらい向こうまで続いている。

ギャラクシーは当然のごとく、カジノもショッピングセンターもある。建物そのものや中にある噴水など、作り物感に溢れたきらびやかさがなんともいえない。デカい! 光る! 派手! とガンガン迫ってきて、ゲラゲラ笑ってしまうような光景が繰り広げられている。

言うまでもなく、ギャラクシーマカオには高級感はあっても品はない。だがそれがいい。

夜にはライトアップされるギャラクシーマカオの建物

コタイ地区は、シムシティをちょっと失敗したような不思議な街だ。ギャラクシーがあるかと思えば、ヴェネチアンの街がそっくりそのまま現れたり、今はパリを作っているらしい。滞在時には、先行して完成していたミニエッフェル塔を見た。

こんな華やかな街だけど、今は景気が悪いらしい。コタイ地区の開発も一部滞っていると聞く。そして日本人観光客ははっきり言って待遇が悪い。理由は単純、金払いが悪いからだ。確かに中華系お金持ちの観光客は、お金の使い方もカジノの賭け方も、ちょっとレベルが違う。

貧乏な私もここでささやかに初カジノ体験をした。結果もささやかで、元手を20倍にした5分後にはそれをすべて失う、というような感じで、素人らしく微笑ましい楽しみ方をしただけで終わった。幸か不幸か、プラマイだいたいゼロ。むしろ変に成功体験を持たなくてよかった。

ギャラクシーマカオのカジノ入口にあるフォーチュンダイヤモンドの噴水

カジノなどでは外貨も使えるが、基本的には香港ドルが使われる。マカオには法定通貨であるマカオ・パタカもあって、少し街に出ればパタカしか使えないところも出てくる。通貨の使い分けにはすこし苦労した。

シムシティみたいなコタイ地区のすぐ隣には、タイパ島と呼ばれる地区がある。ポルトガルを思わせる建物がたくさんあり、学校なども並んでいる。ポルトガルみたいな街並みに漢字の看板が並んでいる様子は、他に見ないタイプの異国情緒を掻き立てられた。

タイパ地区の建物

タイパ島と並んで素敵な街だったのが、マカオでいちばん南に位置するコロアン島である。もし次に行くことがあったら、この街に宿を取って長期滞在したいと思ったくらい。

同じ通りに廟や教会が一緒に並んでいるのがおもしろい。お坊さんもたくさん歩いているし、お店の中からお店を覆うように伸びている巨木があったり、タイパを凌ぐ摩訶不思議異国情緒。通りでは地元のおじさんたちが半裸でごはんを食べている。

コロアン地区の様子

マカオに再訪したい理由は、シムシティの進捗状況を見に行きたいから、というのが大きいかもしれない。前回行ったときに建設中だった巨大施設の完成形が見たい。でもそのためには、そこに宿泊する必要があるよなぁ。

それとはまったく別に、コロアン島でしばらく過ごしてみたいという気持ちがある。そうすると、やっぱり滞在はコロアン地区にしたいわけで、うーん迷っちゃう。ここでは紹介しなかった半島部の歴史地区もよかったから、あちら側にも滞在したいし。

もともと持っていた期待値を超えて、マカオは私の中でかなり好きな場所になったのだと思う。また気軽に遊びに行きたいな。


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