蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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旅とわたし:モナコ(モナコ公国)

このエントリは『旅とわたし Advent Calendar 2016』の20日目です。

モナコ公国は南仏とイタリアの間くらいにある小さな国だ。街の中がF1のコースになることでも有名だろう。海に面しているイメージが強いが、意外と山が多いそうだ。ニースに滞在していたとき、海沿いの列車に乗って遊びに行った。

モナコの駅構内

駅構内の派手な感じが、らしさを煽る。らしさというのはどこから来るのかわからないあやふやなものだが、列車を降りた瞬間からモナコらしいと感じる雰囲気があるのは間違いなかった。

タックスヘイブンであるモナコには、富裕層が多く住んでいる。お金持ちがバカンスで来ることも多いのだろう。おもしろいのは、モナコ国籍の人はカジノで遊んではいけないことになっているという。何かに特化した小さな国のしくみは、知れば知るほどおもしろいことが多い。

街から見下ろす港

お金をたくさん持っていれば遊びかたも変わるだろうが、私にはカジノに行くような原資はなく、いつものように気が済むまで歩くことでモナコの街を楽しんだ。

少し歩いただけでも、街の美しさを維持することに労力を割いていることがわかる。近隣の街はちょっと歩くとゴミが落ちていたり、汚れていたりする場所が目立つ。モナコはそういうことがほとんどなかった。

南仏という雰囲気の景色

今思えば、山が多いというのもよく理解できた。海沿いすぐから坂がはじまっていて、ちょっと歩くだけで港を見下ろすことができる。

訪れたのは10月で、気候はまだまだ夏という感じ。天気も抜けるように晴れていた。その気候により解放的な気持ちになり、整った街並みにより落ち着いた気持ちになる。はしゃぐというよりは穏やかな気持ちでいられる街だと思う。

路地をすこし入るとまた雰囲気が変わる

観光スポットとして有名な大公宮殿では、毎日衛兵の交代式が行われる。お昼すぎには、広場のまわりに交代式目当ての観光客がたくさん集まる。その街に住むローカルな人々を眺める楽しみはあまりなかったが、行き交うたくさんの人を見ているのは楽しかった。

ローカルな部分に思い入れができなかったせいか、モナコで暮らしたいという感覚は生まれなかった。でも今まで紹介してきた街と同じように、また再訪したいという気持ちは強い。

あらゆるところに掲げられた国章

モナコは私にとって、どこまで行っても「どこか遠い場所」なのだろう。今訪れたらどんなところに行きたいかなぁ。どんな遊びかたをしたいかなぁ。きっとあの頃とは違う街の歩きかたをするのだろうな、ということはわかる。

モナコに再訪したい理由は、ひとまず理屈は抜きに、美しい街をもっと隅々まで歩いてみたいという純粋な気持ちが大きいのだろうな。味わいかたの違いを楽しむのは、副次的な理由になるだろう。


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